6126 Moon Phase workshop-1

専門技術

高級時計は比類のないメカニズムです。1日24時間が86,400秒であることから、一日の誤差が+/- 5秒の精度を誇る腕時計の精確性は99.99994%となり、この並外れた数字は、信頼性において数多くの高性能電子機器の性能を凌駕しています。こうした腕時計を生み出すには類稀な優れた才能が求められます。その才能を駆使するウォッチメーカーや職人は、そこにパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、カルーセル、クロノグラフ、ミニッツリピーターといった、高度な製作技術を要する複雑機構を搭載し、そして装飾を施す能力を備えています。

ブランパンは、スイスのヴァレ・ド・ジュウ(ジュウ渓谷)に集結した時計の構造を司るエンジニア、熟練した時計職人、専門技術を駆使する職人とともに、高級時計の伝統とノウハウを継承しています。ブランパンの遺産や伝統技術に対する敬意は、ブランドの一挙手一投足に反映されています。かといって、ブランパンは過去の業績に甘んじてはいません。革新の精神はブランパンの根幹なのです。こうしたブランパンの指針は、新作タイムピースの製作および時計産業に適した近代的なテクノロジーの統合を導いて、絶えず芸術的時計製造の限界を押し広げています。例えばブランパンは現在、自社製タイムピースのほぼすべてにおいて、テンプのヒゲゼンマイにシリコンを採用していますが、これは、この素材の性能、非磁性、精度が既存の素材に比べてより優れているからです。さらに、チタン(テン輪)、特殊合金(ゼンマイ)、リキッドメタル®(一部の表示とダイバーズウォッチの水深計)、セラミック(ケース)を使用し、精度技術(歯車やカナの製造)を応用しつつ、新たな一歩を刻んでいます。

Blancpain Savoir Faire

新作タイムピースは、時計の構造を司る内部エンジニアによって開発されます。彼らは想像力を駆使し、その才能を余すところなく発揮しています。例えば彼らは、2006年から2018年の間に、ワン ミニットフライング カルーセル、トラディショナル チャイニーズ カレンダー、8日間パワーリザーブを搭載したパーペチュアルカレンダー ムーンフェイズ、ランニング イクエーション、驚異に値する12日間パワーリザーブを搭載したワン ミニット フライング トゥールビヨンを始めとする、数々の革新的な43種類を超えるキャリバーやムーブメントを開発しました。このことからも分かるように、長時間パワーリザーブは、クリエーションを左右する重要な性能の1つとして挙げられます。さらに、自動変更時の調整を制御するカレンダー機能、またチャイムが鳴っている際の時刻調整を妨げるミニッツリピーターなど、誤った操作からムーブメントを保護するメカニズムの開発を手掛けました。

ブランパンのイノベーションはムーブメントに限りません。特許を取得したブランパン独自のアンダーラグコレクターが備わったことによって、ケースサイドの修正ボタンは除去され、滑らかですっきりとした外観に仕上げられています。ただ押すだけで調整でき、特殊な工具は必要ありません。フィフティ ファゾムスコレクションにおいては、極めて傷のつきにくいことで知られる、深みのある色を湛えるサファイアベゼルを開発しました。

Correcteur sous corne Blancpain Villeret
Blancpain Conception - technique horlogère

ブランパンはさらなるノウハウを駆使して、多彩なコンプリケーションを取り揃えたシリーズを発表しています。自社で一貫製造されるムーブメントは、コンプリートカレンダー、ムーンフェイズ、アニュアルカレンダー、パーペチュアルカレンダー、ランニング イクエーション、クロノグラフ、スプリットセコンド クロノグラフ、、フライバック機能、GMT、アラーム、ワン ミニット フライング トゥールビヨン、ミニッツリピーター、そしてこれらのコンプリケーションのコンビネーションなど、時計製造において高く評価されているコンプリケーションのすべてを制作しています。さらにブランドのカタログには、ワン ミニットフライング カルーセル、トラディショナル チャイニーズ カレンダー、GMT機能を兼ね備えたアニュアルカレンダーを始めとする、ブランパン独自のコンプリケーションが掲載されています。

ブランパンのノウハウは時計製造に応用できる芸術的な技法にも及んでいます。数世紀前からその1つに数えられている装飾はブランドの偉大な伝統の一部を成しています。腕時計のわずかなスペースに施された装飾は、時計の遺産のなかで重要な役割を果たしています。ブランパンの職人は、ル・ブラッシュにあるメティエダールのアトリエにおいて、文字盤、ムーブメントのブリッジ、ローター、ケースバックを彩る緻密な装飾のエングレービング、エナメル細密画、シャンルベのような独特なエナメル装飾技法など、多彩な技法を駆使しています。彼らはブランドの時計の構造を司るエンジニアと同様、日本のシャクドー(赤銅)や備長炭、また伝統的なダマスキネ象嵌細工といった、これまで時計製造では見ることのなかった芸術的な専門技術を新たに習得することで、それぞれの限界を押し広げる努力を重ねています。